その泥臭い道のりの裹を知りたいあなたへ--セル生産導入における改善推進の体験談

摘要

取り巻く環境の変化にともない，生産方法も少品種多量生産から多品種少量生産に変化してきた。多くの生産業種でも，その対応策として座り直線ラインから，小回りの利く立ち作業のセル生産方式の導入が随分と盛hになってきた。しかし，導入にあたり他社の上辺だけの見学のままに着手したり，肝心な真意を把握しないままに，自らのやり方でしかも十分な準備もできないままにセルラインを組み立て導入してしまった事例が見られる。 そして生産を開始したのは良いが，思ったほどに成果がでなく，挙句の果てはまた元の状態に戻してしまう工場もある。そこに残ったものはオペレータからの失われた信頼だけでなく，もうそこには改革や改善をしようとする気力すら見られなくなっている自らの意欲喪失の姿であった。これからこのセル生産方式を導入する企業は，まだまだ多くあるとみられる。 そこで，実際の導入に際して準備，立ち上げ，安定，展開のステップが確実にできて,やって本当によかったと自らの旗振り役と実際に作業するオペレータからも喜ばれ，さらに狙った成果が確実に出るためのアプローチ，つまりIErとしての心意気について同じ失敗をして欲しくない私の経験則を，失敗事例を交えながら紹介する。