天性サイトメガロウイルス感染症を認めた当科難聴児症例の検討

摘要

先天性サイトメガロウィルス感染症は、10?：15%は症候性で子宮内兖育不全や黄疸、肝脾腫、肝機能 異常、血小板減少、出血斑、DIC等の全身症状がみられるが、残りの85?90%は出生時には無症候性で 生後5?：L5%に精神発達遅滞ゃ感音難聴を生じる。難聴は、症候性感染で22?65%に、不顕性感染では 6?23%に合併するとの報告がある。難聴発症の時期は様々で、新生児聴覚スクリ一ニングを契機に難聴 が診断される例もあれば、小学校の学校健診で初めて難聴の疑いを指摘され難聴の診断となる例もある。 難聴の程度も一側、両側、軽度から高度まで様々である。また症例によっては聴力の変動や難聴の進行を みる例もある。難聴以外に発達遅滞を伴う例もあり、先天性サイトメガロウィルス感染症の難聴児におけ る臨床像は多彩である。それ故に、原因不明の難聴や発達遅滞を呈し受診した児の診断や経過観察、対応 に困難を伴うことがあり、当科を受診した先天性サイトメガロウイルス感染症を認めた難聴児24例につ いて検討し報告する。