ニワトリ砂嚢筋ミオシンの加熱ゲル形成能

摘要

平滑筋の有効利用を目的として，ニワトリ砂嚢筋ミオシンの加熱ゲル形成能について調べた．ニワトリ砂嚢筋ミオシンの加熱ゲル化の最適条件は0.1MKCl，PH5.8であり，0.3M以上のKCl濃度ではゲルは形成されなかった.ミオシンのゲル化を引き起こす凝集反応を検知するため，ゼロ長化学架橋剤，EDCの利用を試みた.末加熱のミオシンおよびRodの架橋は0.5Mよりも0.1MNaClでより進行した．これは分子の形態（モノマーとフィラメント）によるものと思われる.加熱すると，ミオシンは低い温度で架橋されるが，Rodでは60～70°cで架橋が進hだ.S－1の架橋はいずれの条件でも認められなかった．タンパク質分子間の静電的相互作用の部位を架橋するEDCにより，架橋の様式はミオシンとそのサブフラグメントとの間で異なることが判明した.