バリアフリー対応バスの系譜をたどる 第4回 シティバスの乗降性改善[4]

摘要

国産ノンステップバスが中型車に波及しつつあった1999年春，金沢市の輸入車ディーラー·グリーンベルモーター（後のクセニッツ·ジャパン）から，小型ノンステップバス·クセニッツが発売された。このバスはフォルクスワーゲンのフロントエンジン·前輪駆動（FWD）商用車をベースに，オーストリアのコーチビルダー，クセニッツが製作した全長6.87m，全幅2.18m，定員27人のノンステップバスで，小径シングルタイヤの後2軸シャーシーにより床面地上高約30cmのノンステップフロアを実現，狭隘路での機動性とバリアフリー性を両立させた。発売の契機は同年3月に金沢市が北陸鉄道に委託して運行開始した市街地巡回路線「ふらっとバス」で，全幅2m級の国産バスがツーステップの日野リエッセに限られていたため，バリアフリー対応を含めた選択肢を海外に求めた結果であった。