マイコンのソフトウェア開発③送信変調の前後処理

摘要

第3章では，SDR-3のRF信号処理の中核である「変調処理ブロック」のCプログラムを紹介しました．本章では，A-Dコンバータが出力信号を変調処理ブロックに渡すまでと，変調処理ブロックの出力信号をD-Aコンバータに渡すまでのCプログラムについて解説します．第3章図1周波数変換ブロック⑥では，サンプリング周波数48kHzのLSB信号のキャリア周波数を0Hz から+ 12kHzシフトしています．周波数を0Hzからシフトする理由の1つは，オーディオ·コーデックICがDC成分（0Hz）を通さないからです．2つ目の理由は，LSB信号がI／Q信号（複素信号）なので，キャリア周波数±数kHzの帯域が必要だからです．3つ目の理由は，ナイキスト周波数（f_s／2＝48kHz／2＝24kHz）に近すぎると，D-Aコンバータ内でゲインが落ちたり，エイリアシングが出やすくなります．第3章で紹介した第4の方式では，作りにくい急峻なフィルタが必要になったりもします．