右脳で捉えるゴムのサイエンス第47回『ゴムの疲労と寿命の物語』その30免震製品開発の表と裏の物語－制震ダンパー【2】：粘弾性ダンパー開発－

摘要

前回お話ししたように，アスファルトとTPEで出来たアスファルトゲルは両相が共連続の構造になっている。90％のソフト相（アスファルト）を，卵の殻で包むように張り巡らされている10％のハード相（TPE）ネットワークが系の強度を支え，一方，殻に空いたトンネルによって繋がっているアスファルト相はトンネルの大きさに従って減衰性能を発揮する仕組みになっている（図1）。この結果，アスファルトゲルはアスファルト単体に比べて20倍の破断強度と熱的に長期間安定した形状を保持出来る共に，アスファルト特有の高い減衰性能を発現出来る。