(J025)その場中性子回折による微細ラメラ組織を有する Ni-38Cr-3.8Al の強化機構調査

摘要

Ni-Cr などの二元系合金では不連続析出によるセル状組織の調査 1)が行われており，さらに Al を加えた Ni-38Cr-3.8Al(以降，mass%)は熱間加工が可能で，引張強度が 2 GPa を超えるなど従来の γ'相強化型 Ni 基合金を凌駕する強度を有することが確認されている 2)．これは，γ 相(fcc 構造)中に γ'相(Ni3Al_L12 構造)と αCr 相(bcc 構造)を複合析出させ，γ/γ'層と αCr 層からなる非常に小さな層間隔のラメラ組織を形成するためと考えられている 2)．しかし，本合金のような小さな層間隔のラメラ組織を呈する材料において，層間隔が機械的特性に及ぼす影響に関する詳細な報告は尐ない．そこで，J-PARC センターのパルス中性子回折装置「匠」を用い，引張変形中の本合金に対してその場中性子回折実験を行い，各相の弾性?塑性変形挙動と各相間の応力分配を評価し，変形挙動を調査した．