X 血漿タンパクの異常 多発性骨髄腫 非定型骨髄腫Neuron specific enolase産生多発性骨髄腫

摘要

neuron specific enolase(NSE)は，神経細胞の 解糖経路において重要な働きを担っているgamma鎖 をもつエノラ一ゼであり，主として神経細胞の軸索突起に特異的に存在する酵素として知 られている.更に，肺小細胞癌，神経芽細胞 腫，褐色細胞腫などのAPUD (amine precursor uptake and decarboxylation)糸脑瘍の糸田S包質に も存在することが明らかとなり，血清NSEは， これらの腫瘍マーカーとして利用されている.一方，高NSE血症を伴う多発性骨髄腫は， 1995年に初めて中島らにより報告され，今ま でに3例のみの報告4-6)にとどまる極めてまれな 多発性骨髄腫である.