海外に負けない金型：日本の金型産業の将来像－中国の製造業の評価も踏まえて

摘要

金型産業は，大量生産の基本的かつ必要不可欠なツールとして，戦後わが国の製造業の発展に大きな役割を果たしてきた．日本の金型産業の世界に占めるシェアは20～30％にも達しており，日本は世界的にみて「金型大国」の地位を占めている．これまで金型産業は，自動車，電子·電気機械，一般機械など各分野の金型ユーザーからの技術指導や厳しい品質要求に鍛えられ，高度な技術やノウハウを蓄積してきた．例えば，自動車用の金型についていえば，戦後わが国で自動車産業が立ち上がった当初は，アセンブリメーカーの内製がほとhど（約75％）であったが，その後次第に専業メーカーへのアウトソーシングが進み，今日では必要量の75％を専業メーカーが支えている．