品質工学を用いた金型加工条件の最適化

摘要

自動車ユーザーの多様化したニーズや原材料費の高騰に対応し、また高品質で低価格な商品を迅速に供給するため、筆者らは金型製作の期間短縮、コスト削減、品質向上に取り組hでいる。 金型製作において、金型加工には多大な時間がかかり、金型コストでの機械加工費の占める割合も大きい。 したがって、金型加工時間の削減は主要課題であり、筆者らは金型加工の効率化に着手した。この活動を進めるうえで、新たな改善方法として、品質工学の導入を図っている。従来のやり方では、熟練者の経験的な判断に基づき、トライ＆エラーを繰り返していた。 品質工学による改善では、直行表によるロバストな実験、計測データの積み上げ、定量的な判断による最適解の選定などにより、効率的かつ確実に最適条件を求める。 そこで、本稿では品質工学を用いて金型加工条件の改善に取り組み、加工の安定化、効率化を図った事例を紹介する。