レーザー励起蛍光共焦点検出によるオンマシン工具刃先微細形状計測法の基本特性

摘要

金型の高度化·高効率化への要求により、表面性状や幾何公差の高精度化が進hでいる。長時間を要する加工負荷の大きな機械加工工程では、工具刃先形状のサブミクロンオーダーの経時変化が、加工精度に大きな影響を与えるため、高精度な非接触機上測定技術による工具管理が要求されている。これまで、機上計測への適用を目指した工具刃先形状測定法が開発されているが、機上の限られた空間において急傾斜面の計測が困難であること、刃先表面に付着した切削液によって精度劣化を招くこと、などの課題があげられる。そこで本研究は、逆に切削液によるレーザー励起蛍光を利用した、新たな工具刃先形状計測原理を提案するものである。レーザー励起蛍光共焦点検出は、光学測定のもつ高速性·非接触性に加え、オーバーハング面（90°以上の傾斜面）を有する複雑な刃先形状も計測可能であるため、機上計測への高い適用性を有している。本稿では、実際に使用される切削液からのレーザー励起蛍光共焦点検出による工具刃先微細形状測定によって、機上工具刃先微細形状計測の実現性を示したので報告する。