金属粉入門 第3回 粉末冶金 粉を固めて成形·焼結－自動車部品に欠かせない製造法

摘要

粉を固めて成形する方法は、食材では古来利用されているが、金属では後述するタングステンが最初である。粉末冶金法による機械部品は、アメリカでは戦前からつくられていたが、日本では戦後の日本粉末合金㈱［現·ファインシンター㈱］が始まりとされている。基本的には、後加工が不要なニアネットシェイプ工法となる。粉末冶金法に適する金属粉はイレギュラー形状のものである。金属積層造形では粉流れ（フロー）のよい真球状の粉が必要だが、粉末冶金法ではプレス成形性および圧粉強度が重視されるので、イレギュラー形状が必要となる。真球状や扁平粉（フレーク）では、プレス成形してもすぐに崩れてしまうので適さない。かといって、粉流れも必要となるので、イレギュラー形状でかつ粉流れも良好なものが要求される。粉末冶金法の工程において、ホッパから自然落下にて金型内に粉を供給するために、粉流れが重要な要素である。