伸びる金型メーカーの秘訣 第39回 金型構造·強度を学び金型改修方法を見直し－㈱建和

摘要

今回紹介するプレスメーカーは、2017年9月号、同10月号にも登場した株式会社建和（愛知県安城市、0566-92-6295）である。同社は、自動車部品において60～300tのプレス量産加工を行い、最新のサーボプレスも有効に活用している。 440MPaや980MPaといったハイテン材を扱う同社では、ショット数の多い順送型などにおいて、従来よりもメンテナンス頻度が高いという問題が生じている（図1）。特に、社内や設計·製作した金型よりも、協力会社である金型メーカーに設計·製作を依頼した金型に問題が多く発生していた。 その原因の一つは、プレスメーカーで1万ショット、10万ショット以上打った後の金型の状態を、金型メーカーが詳細に把握できておらず、必要な強度で金型を設計できていないことにあると筆者は考えている。金型メーカーでは、どこまでの強度の構造をもつ金型を設計すればよいか、どれだけの強度の金型材料を用いればよいかを考慮することが難しくなっていると考えられる。また昨今は、金型にかけられる予算が限られており、厳しいコストで金型を製作しなくてはならないため、金型メーカーとしても過剰な品質の設計は避けたいところである。