射出成形金型設計計算再入門 第17回［アンダーカット処理（その3）と入れ子法案］

摘要

前回は、プラスチックねじに対し、外ねじスライドでのねじ側面角度の理論式、内ねじの可動側回転コア自動抜き、固定側回転のインナーゲート自動抜き構造の設計ポイントなどを述べた。今回は、コラプシブルコアの特徴やプラスチックの弾性を活用する無理抜き、固定スライドのポイント、入れ子法案などを述べる。ねじ形状がコア全周に要求される成形品においては、コアをモータドライブや回転機構で回転させて処理するが、図1および図2に示すスリットで分割されたスプリングコアの中央のセンターピンを引き抜くことで、外形が内側につぼみ、縮径されてアンダーカットを処理することができる。コラプシブルコアと呼び、ROEHR（ローハー）社から提供されている。特徴を以下に示す。①回転機構と違い、大幅な成形サイクルの短縮が可能。②360°のアンダーカット処理が可能。③スリーブ形状も可能。④円筒形であるために、コンパクト設計の多数個取りが可能。