独自の積層技術による高効率モータコイルの開発

摘要

二酸化炭素（CO_2）の排出量増大による地球温暖化は、人類の存亡にかかわる重大な問題であり、近年は、温室効果ガスの排出や、エネルギーの活用方法についてさまざまな規制を設ける活動が国際的に活性化している。日本でも1997年のEPO3で採択された京都議定書を皮切りに、国内の排出量低減を目的とした省エネ法の改正や、エコポイント制度の導入による省エネ家電への買い替えを推進してきた。特に省エネ法の改正により、民生·輸送機部門の主要な施策としてトップランナー法が定められた。これは世界（国内も同様）で消費されている莫大な電力のうち、57%以上が何らかのモータによる消費とされていることから、モータの効率を改善することが消費電力削減へ直接的に寄与するとの考えによるものである。そのため、民生·輸送機分野では2015年4月からの効率規制IE3（モータ効率91%以上）が基準として設けられ、モータの高効率化が必須課題となっている。