パラレルメカニズムを用いた多軸加工機の経路生成法

摘要

パラレルメカニズムの多軸加工機への応用がすすめれているが、問題点の1つとしてCLデータの生成がある。NC多軸加工機では、通常、理想経路である設計形状の輪郭を分割した点（制御点と呼ぶ）の集合をCLデータとして与え、各制御点間を直線補間し工具経路とする。パラレルメカニズムで同様な制御を行う場合、機構の入出力関係が非線形で制御点間での工具経路が予測困難なため、設計形状に対する幾何学的な偏差（経路偏差と呼ぶ）を見積もれない。したがって、要求される加工精度を保証するCLデータの生成は困難である。制御点数を増加させれば経路偏差を抑えることは可能であるが、制御指令値が膨大となり加工速度が低下する。そこで本稿では、制御点間におけるパラレルメカニズムの出力点軌跡をらせh運動として近似する方法を示し、近似結果と理想曲線の差である経路偏差が許容値となるCLデータの簡便な生成法を述下る。