脊髄くも膜下麻酔で管理したスモン患者での 大腿骨人工骨頭置換術の1症例

摘要

スモン(subacute myelo-optico-neuropathy ： SMON)は整腸剤キノホルムの内服が原因で起こ る薬害神経性疾患である。特有のしびれ感が足先 より始まり，下肢全体あるいは胸腹部まで上行す る。感覚障害に加え痙縮などの運動障害を伴うこ とも多く，重症症例では視力障害を来す。下肢の感覚障害や運動障害があるため全身麻酔 を選択する傾向がある。われわれは，誤嚥性肺 炎を併発したスモン患者に対して，大腿骨人工骨 頭置換術を脊髄くも膜下麻酔で管理したので報告 する。