ホットスタンピング工法による優れた形状凍結性発現機構

摘要

近年，地球温暖化に対応したCO_2排出量削減のために自動車の燃費向上が必須となり，その軽量化が強く求められている.さらに衝突時の安全基準も厳しくなる方向であり，車体部品に使用される鋼板の強度は著しく増加しており，特性の優れた高強度鋼板が開発されている.一方，鋼板強度の増加に伴ってプレス成形性は一般的に低下するため，冷間プレスを用いた高強度部品の製造の難易度は上がっている.そこで，高強度部品を製造するもう一つの方法としてホットスタンピング工法の適用が拡大している.この成形方法では，鋼板は900°C程度のオーステナイト域の温度に加熱され，そののち常温の金型で成形され，金型で加圧中に保持·冷却される結果，焼きが入り高強度鋼板を得ることができる.この工法に用いられる鋼材の化学成分を調整することにより，たとえば引張強度が1.5 GPa程度で良好な形状の部品が製造できる.