エアハンマー鍛造における実働荷重と型面圧の測定

摘要

そこで筆者らは，エアハンマー鍛造において実際にはたらく荷重や面圧（圧力と摩擦応力を含めて金型表面にはたらく応力を面圧と呼ぶ）を測定することを目的として，熱間鍛造における金型面圧を計測するセンサを開発するとともに，据込み鍛造における型面圧の計測を行った．本研究ではさらにリング状部品の鍛造を対象として，エアハンマー鍛造時の荷重と工具面にはたらく圧力·摩擦応力の実測を行う．リング状の部品を取り上げた理由は，実際にエアハンマープレスを用いて鍛造を行う部品として基本的な形状を有していること，またボンチを円柱ビレットに押込む加工であるため，コーナ部に摩擦応力が大きくはたらくと考えられ，これを計測することで，コーナ部の摩耗に関わる何らかの知見が得られると期待したからである．またパリを出しながら鍛造を行うことから，バリランド部の面圧を計測することも試みた．本報告では，リング形状部品のエアハンマー鍛造打撃において金型にはたらく荷重と金型表面にはたらく圧力·摩擦応力測定の結果を示し，鍛造過程にともなって発生する荷重や金型面圧と変形過程との関係について分析するとともに，バリ出し鍛造の特徴についても検討する．