(14003)新技術、新製品の早期戦力化--円高による輸出減、内需戻りでカバー

摘要

ステンレス産業では生き残りを賭けた業界再編のク噂″も絶えませhが、JFEスチールのステンレス薄板は競争力で勝るクロム系に特化することで勝ち残るという方向を打ち出していると理解していますが、まず現状認識を。海外メーカーなどから、「技術を供与して欲しい」といった話は色々あり、クロム系における技術·品質優位性はあると思っている。ただし、日本ではこの10年間、大きな能力増強が行われていない一方で、中国では相次ぐ能力増で設備面でも技術的にも最新の設備が稼働している。アジアは300万トンメーカーが次々誕生しており、その環境下で何もしないで当初の優位性を維持し続けることは不可能になりつつある。巨大メーカーに挟まれた状況、それに円高という不利な条件などを考えると、根本的な対策を考える必要があると思える。例えば鮒円を切る円高は、輸出にとっては極めて厳しい条件だが、現状では70円前半といった為替条件で競争力を維持するような対応策を検討することが求められるのかと思う。