グローバル化と技術融合の時代の中堅化学企業

摘要

「経済のグローバル化」と「技術革新」の時代が到来したと唱えられるようになってからすでに20年ほどが過ぎている。 しかし，以前は目はしのきく人が時代を先取りして唱えていたのに対して，最近はそれがいよいよ本格的に日本経済に浸透するようになっている。 そうなってみると，この新しい時代は日本人にとって必ずしもハッピーなものではないことが明らかになってきた。 グローバル経済の中で競争にさらされることは，じつは日本企業の多くが経験してこなかった。 現在でも非製造業を中心に残っている「内外価格差」は，グローバル競争を遮断する中で形成されたものである。 日本だけが世界の中で突出した高コストの国をつくってきたわけである。 しかし，長いデフレの中でそれもようやく崩れようとしている。