現金との価格差が拡大～市況是正にはマイナス材料～

摘要

SS店頭でのガソリン販売増を図るため、元売各社はカードキャンペーンを行なっているが、実際、市況対策にはマイナス効果となっている。カード会員を囲い込むため、新規会員となると、ガソリン、軽油は一律2円割引、キャッシュバックなど、多くの割引特典を設けている。また、SS独自でもカードを発行している。その結果、SS店頭では現金とカード会員との間に3円～4円／リットルの価格差が生じている。さらに、割引が加算されることにより、実質的には安値販売となる。市況対策でガソリン現金価格が値上がりした場合、カード割引価格は据え置きとなるケースもあり、実売価格は不透明となっている。みずほ総合研究所の週動向調査は現金価格が対象となっているため、比較すると現金価格が高値となっている。ただ、実売では、カード会員が圧倒的に多いため、今後、これを是正しないとマージン確保が厳しくなる。