高血圧症の遺伝子解析：大迫研究における結果と今後の展望

摘要

高血圧症を対象とする遺伝子研究ではフユノタイプを血圧値として数値で表現することができる。 充分な人数が集まった集団において血圧値は低値から高値にかけて，平均値にもっとも人数が多くなる正規分布を示す。 本態性高血圧症は典型的な多因子遺伝性疾患の一つと考えられ，血圧値の分布上低い領域の人では高血圧の遺伝的因子が少なく，高い領域の人は多いと理解されている。 したがって，理論上，血圧に影響する特定の遺伝因子（高血圧遺伝子）を同定するには図1のごとく，その因子の存在する集団とそうでない集団間で血圧の分布の差（2峰性の分布）を証明することになる。