前立腺全摘術後の鼡径ヘルニアに対し腹腔鏡下鼡径ヘルニア根治術（TAPP－Kugel法）を施行した1例

摘要

恥骨後式前立腺全摘術（RPP）後には高率に鼡径ヘルニアが発生することが知られている．通常鼡径ヘルニア手術ではonlay法よりもinlay法が望ましいといわれているが，RPP術後では腹膜前腔が癒着しており，Kugel法やtotaly extraperitonealrepair（TEP）法は施行不能であることが多い．transabdominal preperitoneal approach（TAPP）法がRPP術後鼡径ヘルニアに対し唯一施行可能なonlay法の手術である．今回われわれはRPP術後鼡径ヘルニアに対し腹腔鏡下鼡径ヘルニア根治術（TAPP－Kugel法）を行い，良好な経過を得たため若干の文献的考察と併せて報告する．