膵ガス卜リノーマの術前診断で膵頭十二指腸切除術を施行したリンパ節原発ガス卜リノーマの1例

摘要

ガストリノーマは主に膵臓と十二 指腸を原発とするが，ほかにも胃，小腸，胆嚢な どが原発となることがある.今回われわれは， リンパ節原発と思われる1例を経験したため報告 する.既往歴：統合失調症，十二指腸漬瘍（60歳）現病歴：精神病院に医療保護入院中，急性十二指腸粘膜病変はcute duodenal mucosal lesion ：ADML)を繰り返し認め，血中ガストリン値を測 定したところ高値であり，当院へ紹介された.現症：身長143 cm,体重40 kg,腹部は平坦?軟であった.腹部CT血管造影所見：胃十二指腸動脈造影時 に膵頭部の二つの腫瘤が濃染し，背側塍動脈造影 時に肝十二指腸間膜内の腫瘤が濃染した.これら はカルシゥム-SASI testに矛盾しない結果であつ た（図3).下垂体?副甲状腺腫瘍は認めず，多発 个王内分泌腫煬症(multiple endocrine neoplasia ： MEN)1型は否定的であった.