ビスホスホネート製剤の最新知見 再発予防としての術後補助療法

摘要

骨転移成立には，癌種を問わず破骨細胞の活性化が重要であることが証明されている.骨転移巣微小環境において破骨組泡の活性化は骨内の増殖因子を溶出することにより転移巣の増殖を促進する悪循環が認められ，病状進行により病的骨取高カルシウム血症，骨痛の原因となり，さらに骨痛に対する放射線治療などのいわゆる骨関連事象（skeletal related events：SRE）を招き，QOL阻害因子となっている．破骨細胞活性によって起こされるこれらSREは，生理的ピロリン酸の類縁物質であるビスホスホネートたより抑制できることから，ビスホスホネートは現瓦骨転移治療の中心的薬剤となっている．現在もっと車強力なビスネスホネートはゾレドロネートで，前臨床では骨転移抑制のみならず杭血管新生作乳癌細胞浸潤能抑制，"癌細胞のアポトーシス誘導，さらにγ(delta)T細胞の誘導など，抗腫瘍作痛が注目されている．それを裏づけるようにゾレドロネートを用いた再発予防試験では無再発生存率の向上などが示されつつあり,ヒトにおいても抗腫瘍効果が証明されつつある．