子宮体癌：手術療法のあらたな展開

摘要

子宮体癌に対する主治療の手術療法において，従来の開腹手術から，2014年4 Sに初期子宮体癌に対 して腹腔鏡下根治術が保険適応となり普及しはじめた.しかし，現在の保険適用範囲は骨盤リンパ節郭清 術までであり，中?高リスク早期子宮体癌に対する腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術は認められていな かった.2017年7月から先進医療Aの下で腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術が開始され，今後，症例の 蓄積を経て保険適用になることが期待される.一方で，子宮外進展を伴う進行子宮体癌に対する腹腔鏡下 手術の有用性は明らかではないため，これらの症例に対しては開腹手術を行うべきであり，腹腔鏡下手術 の限界も理解する必要がある.さらに近年，ロボット支援下手術が欧米を中心に普及してきた.わが国で も2018年4月から早期子宮体癌に対する口ボット支援下手術が保険適用となつた.腹腔鏡下手術と同様 に骨盤リンパ節郭清術までであるが，今後，腹腔鏡下手術とともに普及が期待される.