ピロリ菌感染胃炎に対する除菌治療の意義

摘要

これまでへリコバクタ一'ピロリ（H. pylori)感染者は単に"胃癌リスク"としてとらえられていたが，2013 年2月に"ヘリコバクタ一.ピロリ感染胃炎"という新しい疾患概念が確立し，治療の対象疾患となった.除 菌治療により胃癌発生が予防できることが期待されるが，効率的な胃癌予防にはできるだけ若年での除菌治 療が必要である.消化性潰瘍に関レては治癒促進，再発予防のみならず，一次予防も期待される.同様に MSAID起因性潰瘍についても予防効果が期待されている.さらには，H. py/o/7'除菌により胃ポリープ，胃 MALTリンパ腫のみならず，特発性血小板減少性紫斑病，鉄欠乏性貧血など種々の/"/, py/o/7'関連疾患の発生 頻度が減少することが予想される.