ワーキングプア(貧困労働者）が 治療を中断する背景

摘要

50歳，男性が3 ~ 4曰前から続く嘔気，上腹部違和感を主訴に総合病院外来を受診した. これまでとくに既往歴はなかったが，健康診断を10年以上受けていなかった.20歳頃より 1日15本の喫煙習慣があり，飲酒習慣はなかった.食生活の乱れがあり，直近1年で体重が 8kg±曽加し，BMIが27に増加していた.身体診察 スクリーニング検査にて，高血圧，2型 糖尿病，脂質異常症が指摘された.また上部消化管内視鏡を施行し，十二指腸炎を認め，自 覚症状の原因と考えられた. 外来担当医は患者に病状を説明し，疾患治療のために定期的な通院を推奨し，処方?生活 指導をして次回の外来予約をとつた.しかし次回の外来に患者は来院せず，病院のスタッフ が数回にわたって電話連絡するも応答はなぐそのまま治療中断となった.