イラッとするとき，患者は何か困難をえている

摘要

サ卜ル君（7歳)，メイちやh（5歳)，母親のミキさh（26歳）の母子家庭.子どもは2人と も気管支喘息.3力月前に離婚して実家のある当地に帰ってきた.アバ一卜が近いこともあつ て当院を受診した.ミキさhは派手な服を着てかかとの高いサンダルを履き，濃い化粧をし ている.2人の喘息はいずれも定期通院が必要なレベルで，次回予約をしたがその曰には来 なかった.しばらくして発作を起こして時間外に受診し，当直医が「明日必ず小児科に」と いったが来ないということが続いた.その後，ある曰の夕方，受付終了の5分前に電話を してきて「これから行くので診てほしい」という.「15分で行きます」といったが来たのは 30分後だった.ミキさhは目を吊り上げて「早くしなさい！」と，子どもたちを叱りつけな がら入ってきた.2人とも上気道炎をきっかけに喘息発作を起こしていた.筆者は「なぜ定 期通院が必要なのか」を説明し，ミキさhは「わかりました」とし、い，次回予約をしたがその 曰も来なかった.