正しい輸血の方法

摘要

輸血療法は，血液中の赤血球や血小板などの細胞成分や凝固因子などのタンパク質成分の量的減少または機能的低下に対し，その成分を補充することにより臨床症状の改善を図るものである.輸血は臓器移植であり，一定のリスクを伴うことから，その適応は慎重に決定されるべきである.副作用や合併症を防ぎ，循環系への負担を最小限にし，限られた資源の血液を有効に用いるために， 成分輸血を行う.主な血液製剤には，赤血球濃厚液，血小板濃厚液，新鮮凍結血漿がある（表1).