慢性腎臓病患者への対処と留意点

摘要

CKDは腎および心血管イベントの発症リスクが高いため，厳格な血圧管理が求められるが，血圧 管理に苦慮することが多い.さらに，血圧曰内変動障害のため夜間高血圧や早朝高血圧などをきたす 可能性が高い.そのため，診察室血圧だけでは不十分であり家庭血圧はもちろhのこと，状況に応じ て24時間自由行動下血圧測定（ABPM)を参考にしながら降圧治療を行う.第一選択薬はレニン?ァ ンジォテンシン（RA)系阻害薬となることが多いが，夕ンパク尿を伴わない非糖尿病CKDに対して はカルシウム拮抗薬（CCB)も第一選択となる.診察室血圧130/80mmHg以下を目標とするが，高 齢者や血管合併症を有する患者では，まず収縮期圧140mmHg未満を目標とし，慎重な降圧を図る. また同時に，減塩，禁煙，節酒，体重管理などの生活習慣の是正が必須である.なお，CKD患者における治療抵抗性高血圧の要因には，腎動脈狭窄症や睡眠時無呼吸症候群など もあり，これらを積極的に疑い診断?治療することも忘れてはならない.