J型回腸襲作成：Linear stapler

摘要

終末回腸切除が長くなると，それに反して排便回数 が増加する.回腸を有効に利用するため，回腸の切離 はBauhin弁の間際で行う.この際，linear staplerを 使用する.通常，stapleの高さは15 mmとしている が，低栄養や長時間手術で浮腫が著明な場合には18 mmを選択する.われわれは片側3列のEESリニ ヤーカッタースティブラー（NTLC 75 mm,ジョン ソン.エンド.ジョンソン）を使用している.切離ラィンから出血を認める場合には，4-0吸収糸により全 層縫合止血を行う. J型回腸囊は，回腸末端から約20 cmの部位を先端 とすると回腸ループの先端が骨盤最深部に至る2).回 腸囊の長さは15?20 cmで，耐容量は250?300 mL となる.これより短いと有効なリザーバー機能が得ら れず，これより長いと排便困難や回腸囊捻転などの原 因となりうる.われわれは現在，staplerの長さから， 18cmの回腸囊長を標準としている.回腸断端より 18 cmの部位の腸間膜腸管付着部にネラトンカテーテ ルを貫通させ，これを愛護的に尾側へ牽引し，作成時 の補助どしている.