胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasmof the bile duct : IPNB)は,胆管内腔に乳頭状増殖を示す胆管上皮性腫瘍を指し,膵管内乳頭粘液性腫瘍との類似性から新たな概念として提唱され,2010年のWHO分類では肝内外の前癌病変,あるいは癌病変として記載されている,しかし,一方で,特に以前より分類されていた乳頭型胆管癌との異同など,その疾患概念そのものについていまだコンセンサスは得られておらず,やや混乱しているのが現状である.IPNBの治療の原則は外科切除であるが,術前の進展度診断を十分に施行したうえで切除術式を立案する必要がある.本稿では,IPNBの疾患概念と外科治療につき概説する.
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