力キ幼苗接ぎ木法の開発

摘要

奈良県におけるカキ栽培の歴史は古いため、園地の多くが^年以上の樹齢となっており、老木化に起因する収量.品質低下などの問題を抱え、改植が産地としての最重要課題となっている。カキは一般に苗を購入してそのまま定植すると、収穫まで3-4年程度かかる上、苗は台木の育成が露地で行われるため、根部を掘り上げて断根されたものしか入手できず、定植後の管理が十分でないと活着不良による生育不良や株の枯死などの問題が発生する(図1)。 そのため、定植後収穫開始時期までの期間短縮を主な目的として、苗を大型のプラスチック鉢などで1-2年育成し、この大苗を圃場に定植することによつて収穫までの期間を短縮する大苗育苗による栽培方法が普及している。この場合も苗を種苗業者から購入して植え付けるが、上記の理由でプラスチック鉢への移植時には一度断根されていることから、植え込み後に生育が劣る場合があるなどの問題を生じることがある。