亜鉛メッキ鋼板リモートレーザ溶接中の欠陥発生·強度評価手法の確立--長焦点リモートレーザ溶接時のインプロセスモニタリング技術の開発（その2）

摘要

自動車車体に多く用いられる亜鉛メッキ鋼板に対してレーザ重ね溶接を行う場合，その溶接性は間隙量に対して敏感であり，間隙過小時にはスパッタやポロシティが，間隙過大時には溶落ちが発生する．鋼板間の間隙量を実際の車体製造ラインで厳密に制御することは困難であるため，溶接施工中に溶接部の良否判定を行うインプロセスモニタリングシステムの開発が求められている．前報1）では，可視化画像から得られたスパッタ数を測定することで，間隙過小時に発生するピットやポロシティなどの欠陥率，および最終的な継手強度や破断モードを予測できることを明らかにした．本報では，ピットポロシティが発生する間隙過小時および溶落ちが生じる間隙過大時の両条件下で，可視化画像から得られるパラメータ（スパッタ数，高輝度部面積）と継手強度との直接的な関係を導出し，欠陥発生·継手強度評価手法の確立を検討した．さらに，実車体製造ラインへの適用を考慮して，各種板厚に対する本手法の適用性を調査·検討した．