炭酸カルシウム水和剖加用による銅水和剤のカンキッ黒点病に対する防除効果向上

摘要

環境保全型農業への関心が高まり、特別栽培や有機JASの基準でも使用可能な剤として銅水和剤が注目されている。温州ミカンなどのカンキッに対しても、黒点病(図1)の防除剤として銅水和剤の活用が期待されている。しかし、その防除効果は慣行的に使用される薬剤であるマンゼブ水和剤と比較しでやや劣るため、効果の高い使用方法の開発が求められている。ここでは、マンゼブ水和剤を使用せずに、銅水和剤に炭酸カルシゥム水和剤をさらに加用して散布した場合の黒点病の防除効果について紹介する。なお、銅水和剤はICボルドー66D (塩基性硫酸銅.1%)、炭酸カルシウム水和剤は銅水和剤の薬害軽減に用いるクレフノン(炭酸カルシウム95%)を使用した。①少発生園場における防除効果県内の現地圃場において、2007年に試験を実施した。宮川早生(8年生)を用いて、3通りの試験区(1区1樹3反復)を設定し、.I ：銅水和剤(80倍)+炭酸カルシウム水和剤(200倍)、II ：銅水和剤(80倍)、III ：マンゼブ水和剤(600倍)とした。散布は6月1日、6月25日、7月19日、8月24日、9月日の5回とした(マンゼブ水和剤の散布は9月25日以外の4回)。