農薬散布時のドリフトとその対策

摘要

今年5月29日から施行される残留農薬のポジティブリスト制（以下ポジ制）に伴い、生産物に不慮の農薬残留が生じるのではないかとの不安が拡がっている。 農薬は登録内容を遵守して適正に使用すれば、使用した生産物の残留に関しては何ら心配はなく、このことはポジ制が施行されてもいささかも変わらない。しばしばポジ制で農薬使用が大きく変わるのではないかとの不安を耳にするが、これまでどおり農薬を適正に使用していれば、恐れることはない点をまず強調しておきたい。 ただし、万一「どうせ分からないだろう」的な発想で不適切な使用を行った場合は、農薬取締法上の違反のみならず今後は食品衛生法からも問題となる可能性があるため、農薬の適正使用に一層心掛けていくことが必要である。