果樹の基礎生理と栽培技術カンキツ果実に含まれる植物生長阻害物質の構造と特性

摘要

カンキッ果実に含まれているオーキシンやジベレリン、アブシジン酸、エチレンなどの植物成長調節物質については、栽培上の興味からこれまでさまざまな研究が行われている。 オーキシンについてはカンキッの果皮にはカンキッ特有の「シトラスオーキシン」が含まれているとする論文が1960年代に発表されたが、これはその後広瀬らにより否定され、カンキッに含まれているオーキシンはインドール酢酸だけであるとされている。 またジベレリンやオーキシン、エチレンに関しては花芽分化の制御や摘果、着果、品質向上など実用的な効果を目的とする各種の試験が盛hに行われてきており、これらの制御を利用した薬剤がいくつも実用化されてきた。