切り花鮮度保持の基礎知識一花が観賞価値を失うメカニズム一

摘要

切り花の需要を拡大するため、花もちの良い花を流通させることが求められている。 そのためには、切り花が観賞価値を失う原因を明らかにし、これに基づいた鮮度、品質保持対策を構築することが必要である。 切り花が観賞価値を失う原因は様々である。 そこで、切り花が観貴価値を失うメカニズムについて筆者らの実験結果を中心に概説する。 多くの切り花では花が萎れることにより観賞価値を失う。 花弁の萎れは老化によるだけでなく、水あげが悪化することによっても起こる。 他にも様々な観賞価値を失う原因がある。 観賞価値の喪失は、つばみが開花しなかったり、花色が充分に発現しないことによっても起こる。 それに加えて、デルフィニウムのような切り花では花弁（正確にはがく片）が落下することでも観賞価値を失う。 アルストロメリアでは、落花に先だって葉が黄化することにより観賞価値を失うことが多い。 表1には切り花が観賞価値を失う原因を示す。