術前XELOXIRI療法にてpCRを得た局所進行直腸癌の2例

摘要

局所進行直腸癌に対する術前化学療法（neoadjuvant chemotherapy: NAC)は，遠隔転移の制御および生存率の向上 を期待して施行される。症例1は63歳，男性。直腸癌（Ra, cT4aNlM0, cStage IHa)に対してNACとしてXELOXIRI療 法を6コース施行後，ycT2N0M0, ycStage Iの診断で腹腔鏡下低位前方切除術（D3郭清）を施行した。病理組織学的診断 はpathological complete response (pCR),組織学的効果判定はGrade 3であった。症例2は56歳，男性。直腸癌'（Rb， CT3N3M0, cStage Ic)に対してNACとしてXELOXIRI療法を6コース施行後，ycT3N0M0, ycStage nの診断で腹腔鏡 下低位前方切除術（D3郭清，右側方リンパ節郭清）を施行した。病理組織学的診断はpCR,組織学的効果判定はGrade 3で あった。ともに無再発で外来経過観察中である。今回われわれは，術前XELOXIRI療法にてpCRを得た局所進行直腸癌の2 例を経験したので報告する。