門脈腫瘍栓を伴った肝細胞癌に対し積極的な集学的治療を行った結果予後の改善が得られたと考えられる4例

摘要

当科では門脈腫瘍栓を伴った肝細胞癌に対し。 手術を含め積極的に集学的治療を行っている。 その結果，予後の改善が得られたと考えらわる4例を経験したので報告する。症例1：門脈左枝の腫瘍栓。 外側区域中心の腫瘍に対し。 肝動注。放射線治療を施行。 一度は縮小したが門脈右枝内に腫瘍栓を認めるようになったため．TAI，手術を施行し。 門脈腫瘍栓診断後杓9か月後に永眠。 症例2：肝右葉の腫瘍，門脈右枝腫瘍栓に対し手術を施行。 残肝腫瘍に対しTAI。 TAEを施行。 門脈腫瘍栓診断後約12か月後に永眠。 症例3：前区域中心の腫瘍，門脈右横腫瘍栓に対し手術施行。 その後，TAI，TAE，PMCTを施行。 門脈腫瘍栓診断後2年9か月経過しているが単発の再発あるも生存中。 症例4：後区域中心の腫瘍，門脈右枝腫瘍栓に対し手術を施行。 再発あり。 肝動性。TAE。 放射線治療を施行。 門脈腫瘍栓診断後約1年8か月経過しているが無再発にて生存中である。