ストロンチウム-89投与，くも膜下フヱノールブロック施行で自宅に帰ることができた進行尿膜管癌の症例

摘要

要旨39歳，男性。尿膜管癌多発骨転移に伴う疼痛が主訴の症例。2008年3月，膀胱部分切除。9か月後，CTで多発肺転移が発見された。以後，化学療法vmethotrexate/5-fluorouracii, irinotecan, taxotere, gemcitabine） を施行するも増悪し， 肝，脳，骨転移が出現。両肩，腰，臀部の痛み，雨側下肢の痺れ，右足首より先の全知覚脱失と運動障害が出現，床上仰臥位しか取れなくなり入院となった。MRIでは多発脊椎転移，脊椎変形による腰部脊柱管狭窄と馬尾の圧迫を認めた。フェンタニル貼付，ァセトァミノフェン，ガバペンチン，パロキセチン内服で疼痛コントロールが不良であった。ストロンチウム-89投与，くも膜下フエノールブロックを行ったところ疼痛は改善し，一時期自宅に帰ることが可能であった。