食物繊維を用いたカーポンナノチューブの精製

摘要

名古屋大学物質科学国際研究センターの大町遼講師，大学院理学研究科の篠原久典教授，未来材料-システム研究所の大野雄高教授らの研究グループは， (株)林原との共同研究で，（株)林原が開発した新規の水溶性食物繊維であるィソマルトデキストリン※1を 用いた水系2相抽出法により，半導体型カーボンナノチューブを精製することに成功した。半導体型カーボンナノチューブは次世代エレクトロ二タス材料として，薄膜トランジスタ※4のチャネル材料としての応用が可能であり，実際に研究チームが作製した薄膜トランジスタが優れた特性を示すことも明らかにした。今回開発した分離手法は，従来の手法と比べて，半導体型カーボンナノチューブを安価に分離できることに加えて，大型化も容易であることから，今後の産業応用へ繋がっていくことが期待できる。