( S078) マイクロ波による燃料電池燃料極の高速加熱

摘要

SOFC は各燃料電池の中でも、高効率で発電することが可能であるが、作動温度が800 ℃レベルで起動に時間を要するため、急速昇温法の確立が望まれている。本研究は、この急速昇温法としてマイクロ波加熱に注目した。マイクロ波加熱とは、300MHz から300GHz の電磁波(マイクロ波）の作用で誘導体を主として分子運動とイオン電導によって、熱を発生させ加熱することである。そのため、誘導体内部で熱が発生するため、熱伝導による外面加熱で内部を加熱する従来の加熱法とは異なり熱伝導を必要としないので、内部まで短時間で加熱ができる。また、マイクロ波加熱では、マイクロ波が光と同速度で被加熱物の中に浸透し被加熱物自身が発熱するため、加熱炉や炉内の空気を加熱するエネルギーのロスが無視できるほど小さいため、加熱効率が高い。マイクロ波加熱を利用できれば、SOFC の作動温度までの昇温時間を短縮や、SOFC の低コスト化を試みる。