(J073)極低炭素鋼ラスマルテンサイトの単一パケットに含まれる小角粒界の形状解析

摘要

ラスマルテンサイトは旧オーステナイト粒，パケット，ブロックといった様々な組織単位を内包している。各組織単位の多くは大角粒界で隔てられているが、サブブロック境界や一部のパケット境界は小角粒界で構成されている。この様な小角粒界の分布はラスマルテンサイトの強度や靱性に影響を与えると考えられ、ラスマルテンサイトの機械特性を知るためにはそれらの分布や形態を理解する必要がある。組織境界の形状について議論するためには組織の三次元情報が必要となるが、各セクションに含まれるラスマルテンサイトの階層組織を定量的に抽出する必要があるため研究例は少ない。近年著者らは解析ソフトウェアを自動化する事でラスマルテンサイトの三次元像を再構築化する事に成功した。本報告では得られた三次元像を元に解析を行い、単一パケットに含まれる小角粒界の形状や形成場所の特徴について報告する。