(S162)パルス中性子線イメージングを用いた日本の火縄銃の結晶組織情報解析

摘要

火縄銃は室町時代後期に日本に伝来し、明治時代に入るまで国内で製造された主要な鉄文化財である。発表者らはこれまで、江戸時代の火縄銃銃身の材料科学的研究を破壊分析で行い、金属組織や非金属介在物の観察などを通じて銃身の部分による鋼材料の使い分け、熱処理、錆付けなどによる機能強化を明らかにしてきた。しかし、文化財の分析は本来非破壊が原則であり、鉄文化財の非破壊分析手法の向上と基礎データの蓄積は課題となっている。以上のような背景のもと、現在は研究の第2 ステップとして、パルス中性子及び高エネルギーX 線といった最先端科学技術を用いた非破壊での鉄文化財の研究を行っている。