(S007-2)酸化鉄含有モールドフラックスの光学特性および放射伝熱に及ぼすCaF2 の影響

摘要

鋼の生産性向上のためには高速鋳造が必須であるが、不均一凝固に由来する縦割れの発生が懸念される。縦割れを防ぐためには、放射伝熱を低減して暖冷却を実現することが有効とされている。Susa ら1)は、?酸化鉄を含有しないフラックスを用いると、その結晶化によって反射率の増大および透過率の低下が起こり、鋼からの放射伝熱の低減が期待できる?と報告している。しかし、酸化鉄フリーフラックスを用いても溶鋼と共存する間に酸化鉄を含んでしまうことになる。これに対し、フラックスの塩基度(CaO/SiO2)を変えることで、鉄イオンの二価と三価の比を変え、酸化鉄による吸収?放射の影響をより小さくできることも示されている 2)。しかし、塩基度を定義するCaO とSiO2 以外のフラックス成分がその光学特性および放射伝熱特性に及ぼす影響は明らかにされていない。そこで、本研究の目的は、酸化鉄を含むフラックスの光学特性に及ぼすCaF2 影響を明らかにするとともに、その放射伝熱への影響を評価することとする。