油圧サーボ制御系オンライン診断技術の開発(S019_2)

摘要

油圧サーボ制御系(サーボ系)は高精度を必要とする位置制御や圧力制御で数多く使われており、当所では約300 台の油圧サーボ弁が稼働している。サーボ系に異常が起きた場合、復旧までに時間を要すことが多い。これは、サーボ系の異常原因が、機械系(シリンダ、配管、ロール)の劣化、制御的な異常、サーボ弁の劣化、目詰まり等多岐にわたるためである。従って、異常時にサーボ弁自体が異常原因かどうかを容易に切り分けできれば、MTTR 短縮に繋がることになる。サーボ弁自体の劣化判断としては、オフライン時にステップ応答を取って動特性(立ち上がり時間、オーバーシュート量等)から判断を行うことが一般的である。ただし異常時にはステップ応答を取れない場合もあり、普段からの傾向管理が重要となる。ところが、短い定修時間で全サーボ系のステップ応答を取ることは難しく、継続的な管理を行えないのが現状である。これらの状況を打破するために、我々が開発したオンラインでサーボ系を診断する技術を紹介する。