コイルばねクリープ試験法による改良9Cr-1Mo 鋼の極低速クリープ挙動評価

摘要

鉄鋼材料の革新的高強度高機能化基盤研究開発研究体(JRCM: (財)金属系材料研究開発センター) 改良9Cr-1Mo 鋼のクリープ変形において、応力.破断時間曲線が低応力長時間域で屈曲し、短時間破断試験による 予測値よりも低強度側に外れることが報告されている(1)。この破断強度低下の要因を検討するためには、低応力下で生 じる極低速クリープ変形挙動を評価する必要がある。これには、数万時間を超える長時間試験もしくは高いひずみ測定 精度のクリープ試験が求められる。コイルばね形状の試験片を用いるコイルばねクリープ試験法(2)は、通常の単軸クリ ープ試験法と比較して長い変位測定部を有するため、高精度ひずみ測定が可能となる。本研究ではコイルばねクリープ 試験法により改良9Cr-1Mo 鋼の極低速クリープ挙動を評価し、低応力?長時間域での破断強度低下の要因を検討した。